ニューヨークの患者会へ行く、の巻。その①
仕事でニューヨークへ行ってました。
実は、ニューヨークへ行くことがあったら行ってみたいと思っていたところがあります。自分の病気のことを調べるときに、乳がんの基礎知識について豊富に学べるコンテンツがあったので、度々訪れていた患者会のサイト。
紡ぎを立ち上げるときにも、個人的に参考にしていた患者会。
Shareという、ニューヨークにある患者会です。
SHARE Cancer Support | Breast and Ovarian Cancer Charity
滞在中は朝から晩まで、ほぼずっと仕事だったのですが、帰国する日の飛行機に乗る前、患者会を訪問し、運用をしている方3名にお話を聞くことができました。願いが叶った!
Shareは1976年にDr. Eugene Thiessenという乳腺外科医が、患者同士だからこそ、支え合うことができるのではないかという思いから自分の患者に声をかけ、始まったサポートグループだそうです。(患者会の元と言われてるそうです。)
お会いしたのは、JackieさんというExecutive Directorの方(乳がん11年生)、IvisさんというSenior Directorの方(乳がん21年生)、そして愛子さんという日本人の女性です。
現在、Shareにはサポーターが約100名いらっしゃるそうです。
サポーターは、実際にサポートグループのファシリテーターをする方と、電話でのサポートをする方が在籍されているとのこと。サポーターになるには、1日研修を受けた後に、先輩サポーターと何度かOJT的にファシリテーションを経験してから独り立ちしていくそうです。
自分自身が「紡ぎ」という場を作り、サポーターをさせていただいているのですが、実際にサポーターとしての研修とかを受けたことがあるワケではないんですよね。本当、サポーター研修とかがあったら受けてみたい!
なので、サポーターの在り方などについて幾つか質問してきました。
サポートグループのファシリテーションで気を付けるべきことはありますか?
・ファシリテーションに徹すること。
・感情的になってしまう人に流されないようにすること。
・言いにくいことを言いやすいようにすること。(例えば、性の問題など)
・答えが分からない時には、分からないと言うこと。
・日本人は性格的に自分の話す番が来ると、義務的に話してしまう人が多いようですが、アメリカの場合は「パス」と言って、話さない人がいるそうです。そういう人には必ず最後に「何か話しておきたいこと、言いたいことはある?」と聞いてあげること。
・乳がんは治療にあたっていろいろな選択肢があるけれど、どれもメリット・デメリットはある。自分が(参加者が)決めたことを信じていられるように、サポートすること。
・希望をつなぐこと。
サポーターに対して、研修以外にしていることはありますか?
Support to Supporters(サポーターのためのサポート)という制度があるそうです。
サポーターをしていくうちに、参加者の疑問に対してきちんと回答できなかったり、きちんと対応できなかったという思いが続くと、サポーター自身が疲弊してしまうことが多々あるようです。
・どのような参加者が来たのか?
・どのような質問をうけたのか?
などの問いけをし、サポーターの相談に乗ることにより、サポーターへのフォローアップを行っているそうです。
また、治療方法などもどんどん変わっていくため、オンラインの教育プログラムを用意し、最新の治療方法などについて学べる環境を作っているとか。
歴史があるだけに、様々な制度が整っていて、素晴らしい!うらやましい!
紡ぎスタッフの間でも、サポーターを増やしていくという議論が度々出るのですが、とても参考になりました。
また、自分自身がサポーターを続けていく上でも、とても参考になることばかりでした。
そして、お話した中で一番心に残っている言葉は、やっぱり「希望をつなぐ」という言葉。乳がんを告知された時、みんな一度は「死」が頭をよぎったのではないかと思います。私も自分は死んでしまうんだ、そう思いました。
そんな時、同病の方と話すことによって前向きに治療する気持ちや、頑張ろうという思いを持つことができました。
このブログでもコメントをいただき、とても励まされました。
同じ気持ちを経験したからこそ、希望や未来はあるのだと伝えていくことができる。
改めてそう思ったのでした。
ちなみに、私たちが作った「紡ぎ」というサポートグループの名前には、こんな思いを込めています。
言葉を紡ぐ
思いを紡ぐ
心を紡ぐ
縁を紡ぐ
愛を紡ぐ
未来を紡ぐ
ここに勝手に、「希望を紡ぐ」も付け足そう!
未来を、希望を紡ぐ。
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