乳がんファイターDiary / Diary of Breast Cancer Fighter

独身、一人暮らし。働きながら遺伝性の乳がんと闘います。

乳がんファイターDiary / Diary of Breast Cancer Fighter in Japan

乳がんセミナーへ行く

昨日は、乳がん&遺伝性乳がんに関するセミナーがあるということを教えてもらい、参加して来ました。二部構成になっていて、第一部は聖路加の先生による乳がん全般に関するお話。第二部は、遺伝性乳がんに関するお話。セミナーは患者向けではないので、いろいろな方が参加されていたようです。男性の方も、たくさん参加されていました。

 

それぞれの興味深かったお話をご紹介。

 

■ 第一部:乳がん全般に関するお話 ■

2016年は乳がんを罹患した人が、なんと9万人!

ということは、私は1/90,000。

さらに、最新のデータでは、8人に1人が乳がんを罹患するというデータもあるとか。

ホントにびっくりな数字。

ちょっと前まで、12人って言われて、11人説が出てたのに。

どれだけ増えてるんだ、乳がん患者。

 

患者じゃない方も多くいたと思われるため、第一部はきちんとセルフチェックをすること、定期的な検診を推奨されてました。ただ定期検診をするといっても、マンモグラフィーなどで僅かながらも被爆することは事実なので、年代および家族歴があるかどうかで検診の頻度を変えた方がいいともおっしゃっていました。

昨今、芸能人の方の検診の呼びかけにより、検診の重要性が知れ渡ったことは良いことであるが、不要な方も受けているため、検診を受けている方の身体の心配(被ばく)はもちろんのこと、医療現場が患者で溢れかえり、大変なことになっているそうです。

 

検診のタイミングは以下を推奨されていました。 

<家族歴がない場合>

30〜39歳   超音波検診&数年毎のマンモグラフィー

40歳〜    超音波検診&2年毎のマンモグラフィー

<家族歴がある場合>

25歳くらい〜 超音波検診

40歳〜    超音波検診&マンモグラフィー

 

あと、面白かったのが乳がんにまつわる都市伝説について。

乳がんあるある、ホントかウソか。

その中のいくつかをご紹介。

 

・食習慣の変化で乳がんが増えたの?

昭和35年くらいの時の食生活と、平成16年の食生活を比較すると、肉類・油脂類の摂取量が増えているのは事実であるため、食生活の変化が起因している可能性はありそう。

・運動すると乳がんになりにくい?

→総脂肪摂取の増加が乳がん発症リスクを増加させる可能性があるため、脂肪燃焼をするための運動は効果があると言える。データとして、週3日以上運動をしている人は、乳がんリスクが0.73倍低いというものもある。

・乳製品を食べると乳がんになりやすい?

→リスクを増加させるとの報告もあるが、結論づけられない。ただし、高脂肪の乳製品は起因の可能性があるというデータがある。

・お酒の飲み過ぎは乳がんになりやすい?

→毎日の飲酒で、約15%のリスク増加がある。適量はグラス1〜2杯を週に2回程度。

 

第一部の最後の締めくくりとして、肺がんを乗り越えた羽太楽家はじ鶴(はたらくやはじかく)さんという落語家の言葉を紹介されてました。

「笑いは最高の抗がん剤」である、と。

笑いの効果は多くの医療の分野で認められており、笑うことによってストレスホルモンの減少が認められていいるので、毎日20分の笑いと30分の運動をすると良い、とのことでした。

笑うことによって、幸せホルモンもいっぱい出して、癌がやっつけられるなんて、一石二鳥だ。

いっぱい、笑おう!

 

■ 第二部:遺伝性の乳がんについて ■

アンジェリーナ・ジョリーさんによって、「遺伝性乳がん」という言葉が世間的に広がりましたが、詳しく知っている人はあまりいないであろうということで、遺伝性乳がんについて、お話くださいました。

 

BRCA1/2の遺伝子は誰もが持っているもので、癌を抑制する遺伝子です。この遺伝子に変異があり、癌を罹患した人のことを「遺伝性乳がん」と言います。また、これらの遺伝子に変異があった人は、癌になりやすい体質であると言われているため、アンジェリーナ・ジョリーさんは両側乳房・卵巣を予防的切除し、話題になりました。

ただし、BRCA1/2の遺伝子に変異があったからといって、必ずしも癌が発症する訳ではありません。

 

ちなみに、乳がんのうち、遺伝性の乳がんの割合はだいたい5〜10%。

そして、BRCA1/2が陽性だった場合の乳がんおよび卵巣がんの発症率。

 ・乳がん   41%〜90%

卵巣がん  8%〜62%

 

なお、予防的切除をしたとしても、がんの発症率が0%になる訳ではなく、腹膜がんなどの可能性はまだ残ります。

 

また、BRCA1/2の遺伝子の変異があった場合、女性だけではなく、男性にも影響があります。約1%とは言われていますが、男性乳がんの可能性、また、前立腺がんになる可能性があるそうです。なお、前立腺がんの昨年の罹患数は約92,600人と言われており、乳がんを上回っているとか。また、海外では前立腺がんのうち約25%が遺伝性と言われていおり、これらの遺伝子に変異があった場合、注意すべきは女性だけではありません。

 

そして、自分が遺伝性乳がんかどうかを調べるためには、遺伝子検査をする必要があります。

インターネットなどで数万円で受けられる「遺伝子検査」と言われるものを見かけますが、こちらの検査は性質が異なるため、本来の生まれ持った遺伝子の検査結果ではないそうです。全く結果が出ないということではないようですが、どちらかというと、統計学による生活習慣を知るためのものに近いので、正しく検査をするためには、病院できちんと検査をする必要があるとのことでした。

ただし、検査結果を受け止めるのは安易なことではなく、家族および親戚などにも影響することから、軽く受けるものでもないと仰っていました。検査を受けたいと思っている方は、きちんと相談できる人がいることを確認し、良く考えた上で検査を受けてほしいとのことでした。

 

改めて、遺伝性の乳がんについて考えさせられた一日でした。

 

 

そして、セミナーは主催者の方の言葉で終了しました。

具体的にどのような手術をしたかは語られませんでしたが、その方は4回手術をされたそうです。きちんと適切なタイミングと内容の検査を大切な人のためにしてほしい、という言葉がとても印象的でした。 

今はインターネットなどで、いろいろな情報が簡単に調べられる時代ではありますが、インターネットにある情報は全てが事実ではありません。信頼できるバックグラウンドをお持ちの方からのお話は、とてもためになるものでした。

  

ということで、初めての乳がんセミナーは参加して良かったと思える内容でした!

 

 

それでもって、笑うことが重要!

毎日、ストレスとか、いろんなことがあるけれど。

とにかく、顔上げて、口角上げて、笑顔を作ろう。